報道では、しばしば特別永住者に対する抗議が行われているのを見ることがあります。
特別永住者と似ているものとして永住者がありますが。これらは似ているようでまったく異なった制度です。永住者とは、入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づき、日本に永住しようとする外国人が入国管理局で申請して許可を得て、日本に住み続けるための在留資格です。
一方、特別永住者とは、入管特例法(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法)に基づき、一定の者が日本に住み続けられるための法的地位です。
現在では身分証として、外国人登録証明書は廃止され、在留カードと同じような特別永住者証明書が交付されています。
特別永住者が創設された理由
さて、入管特例法によりなぜ特別永住者が創設されたかというと、第二次世界大戦では、韓国・朝鮮・台湾は日本が占領しており、日本本土には韓国人・朝鮮人・台湾人が滞在していたのですが、その人たちは日本人とされていました。
しかし、戦後のサンフランシスコ条約により、日本国籍を離脱して韓国人・朝鮮人・台湾人となった人たちは、このままでは日本に滞在することができません。だから、日本に住み続けることができるように、これらの外国人及びその子孫のために入管特例法が創設されたのです。
これらの事情から一般の外国人より優遇されており、特別永住者には有効期間がなく原則として生涯日本に住むことができます。また、永住者とは異なり、退去強制の要件が緩和されているので、日本で内乱でも起こさない限り退去強制になることがありません。
これら以外にも特別永住者には、他の外国人と異なり優遇されることがあるので、この制度には賛否両論の意見があります。実際にヘイトスピーチや政治家の発言などが物議を醸し出しているので、これから何かしらの変更があるのかもしれません。