外国人が「日本人になりたい!」と思っても、「わかりました」と簡単には帰化は認められません。日本に限らずどこの国でもそうですが、誰にでもその国の権利・義務を与えてしまうと大変な混乱が発生してしまうからです。
さて、日本の帰化の条件ですが、これは国籍法に規定されており、帰化をするためには大きく分けると、「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」と呼ばれている3つの方法があります。
その条件は次のようになっています。
普通帰化
一般的に外国人が帰化するときの条件は普通帰化となります。
- 引き続き5年以上日本に住所があること
- 20歳以上で本国法によって能力があること
- 素行が善良であること
- 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること
- 国籍がない又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと
- 日本国憲法又は、その下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、もしくは主張し、又はこれを企て、もしくは主張する政党その他の団体を結成し、もしくはこれに加入したことがないこと。
簡易帰化
一定の身分の外国人は普通帰化の条件が緩和される簡易帰化ができます。
◆普通帰化の条件である①が緩和される外国人
- 日本国民だった者の子(養子を除く。)で、引き続き3年以上日本に住所又は居所がある
- 日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所または居所がある
- 日本で生まれた者で、父または母(養父母を除く。)が日本で生まれている
- 引き続き10年以上日本に居所がある
- 日本人の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所又は居所があり、かつ、現在日本に住所がある
- 日本人の配偶者で、婚姻の日から3年が経過しており、かつ、引き続き1年以上日本に住所がある
- 日本人の子(養子を除く。)で日本に住所がある
- 日本人の養子で、引き続き1年以上日本に住所があり、かつ、縁組の時本国法により未成年だった
- 日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。)で、日本に住所がある
- 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍がない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所がある
大帰化
日本に特別の功労のある外国人のために、法務大臣が国会からの承認を得て行う帰化のことです。この大帰化は2015年10月現在、認められた外国人はいません。
帰化する人は「犯罪歴がある」「破産したことがある」「収入が少ない」「借金がある」「無職」など、心配することがいろいろあるかもしれませんが、一概にこれらがあるからといって帰化が不許可になるわけではありません。
例えば、犯罪歴があるといっても、「窃盗」と「殺人」では、ことの重大性はかなり異なりますよね?
破産したといっても、破産したばかりの場合は帰化できないと思われますが、破産して数年が経過しており、善良な市民として生活が安定していれば許可され得ます。
つまり、帰化の申請はいろいろなことを総合的に判断されるので、明確に条件を当てはまらない場合を除き、必ず不許可なるとは言えません。
なお、「在日韓国人で特別永住者は帰化の条件が緩和されると聞いたのですが」と聞かれることがありますが、そのようなことはありません。ただし、他の外国人と異なり必要書類は緩和されます。
最後に、日本語の理解力についてですが、法務局の面接では、日本語の理解力を試されることもあるので、最低でも小学2年生ぐらいはできるようにしてください。「日本語は話せるけど書けない」という外国人の方をたまに見かけます。
帰化の条件を確認して、帰化を検討したくなったらこちらの記事をご覧ください。